8/24/2020

ブライアン・ペドル大将によるメッセージ(8月22日付)

ブライアン・ペドル大将によるメッセージ

8月22日付、救世軍万国本営の動画チャンネル(vimeo)から発信

 

要旨(個人訳) 

初めに、神は天地を創造された。(創世記1章1節)

今日のお話にあたり、最近の〔ニュースの〕中でもっとも注目すべき、宇宙への旅について触れたいと思います。数週間前、アメリカ合衆国において、『パーサビアランス』(Perseverance 忍耐、根気の意)という宇宙船が打ち上げられました。〔訳注・NASAが開発した火星探査機を搭載した宇宙船〕この宇宙船は火星に向かっています。この計画の目的は、火星でかつて湖があったと考えられる地点に探査機を着陸させることです。その湖があったのは数十億年も前と考えられています。着陸した宇宙船は岩石の標本を〔地球に〕持ち帰り、その他にも実験を行う予定です。この宇宙旅行は科学の歴史の新しい一頁となるものであり、これによってわたしたちは、自分たちが生きているすばらしい宇宙について理解を深めることができるでしょう。

聖書もまた、このすばらしい宇宙について語っています。その物語は、『創世記』の次のような第一声で始まります。

初めに、神は天地を創造された。(創世記1章1節)

聖書が語る物語は、何よりもまず天地を創造された神についての物語です。ここでわたしたちにとっては、科学が語る物語と聖書が語る物語は対立していないということを理解することが大切です。〔科学にも、聖書にも〕それぞれの言葉があり、それぞれの目的があります。科学は、宇宙の始まりについての理解するための筋道を取り扱いますが、聖書はそれを別の視点から追っています。
 
神が初めに天地を創造されたということは、宇宙には〔神が創造された〕目的があり、偶然の産物ではないということです。天地創造によって、神は、ご自身の愛を分かち合う場を被造物のために〔この世界を〕作られたのです。『創世記』は、このすばらしい物語の始まり〔について語るの〕です。
 
注目したいのは、『創世記』が強調している点の一つとして、〔神によって〕作られたこの世界が「良いもの」であると確信しているということです。神は、太陽や月を作られました。植物や動物、人間も。これらは〔神からご覧になって〕良いものなのです。

神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。
(創世記1章31節)

わたしたちが世界をよりよく知り、理解するならば、その分、わたしたちが暮らしている世界がすばらしいものであることがよく分かってきます。
 
世界のさまざまな大陸に生育している緑の豊かさを考えてみてください。北極からサハラ以南の地域の間にみられる、さまざまな樹木を考えてみてください。生命に活力をもたらす、さまざまな河川や湖も。地表を形づくる、さまざまな岩石も。幽玄な蝶の群れや、堂々とした北極熊も。これが〔神の創造された〕良い世界です。それゆえ、わたしたちは次のような賛美と共に、主の御前に進み出るのです。

輝き、美しいものはすべて
大きなものから小さなものまで、
生きているものはすべて
賢く、すばらしいものはすべて
主なる神が創造されたもの
(セシル・アレクサンダー、英語版 救世軍歌集3番)

『創世記』は、六日間で天地が創造されたと語っていますが、六日目について、次のように言われています。
 
神は言われた。「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。」神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。(創世記1章26、27節)

神がご自身に似せて人間を造られたということにはどのような意味があるのかを理解するためには、聖書を全体にわたって読む必要があるでしょう。さしあたってここでは、神が人間に責任をお与えになったという点に注目しましょう。わたしたちは神が造られたものの管理者として、神に召されています。湖、川、植物、木々、くじら、北極熊、そのような被造物の世話をするようにと、神に呼びかけられています。〔神によって創造されたという〕世界の本来の意味合いからみるならば、人間であるということは〔神から委ねられた〕責任を負うということです。この責任はすべての人にあてはまります。すべての人種や民族、どの性別も、健常なものも、障害のあるものも ―― すべての人が神の似姿(イメージ)のうちに造られています。
 
〔わたしたち人間が〕責任を負うということは、自分たちの人生には〔神から〕求められているものがあることを知っているということです。わたしたちの世界には、わたしたち自身を超えた、偉大な存在が働いています。〔たとえば、〕個人の人権や自由を強調することが重要であると世界の多くの人々が考えているときに、この聖書の冒頭の言葉は〔人間の〕責任の大切さについて教えてくれます。
 
人間は、神が良いものとして創造された被造物のケア(世話、保護)をする責任があります。わたしたちは、このパンデミック〔新型ウイルスの世界的流行〕の時においても、責任を担って生きていくようにと召されています。わたしたちは、福音のために責任を果たすようにと招かれています。その福音とは、わたしたちの世界には〔神の〕目的があるということです。そして、その目的は、ナザレ人、イエスの生涯のうちに、彼の死と復活のうちに明らかに見出すことができます。このような恵み〔の物語〕を、神はわたしたちの人生に対して、強く語っておられるのです。
 
わたしは、この困難な日々の中、責任を果たしているすべての人々に対して感謝を表したいと思います。
 
これからの一週間、みなさんが、それぞれの創造的な力を発揮する方法を見出すことができますように。神が良いものとして創造された被造物をケア(世話、保護)をする方法を見つけることができますように。神は、わたしたちの創造主です。この神のものである世界において、わたしたちは、救世軍としての責任を果たして生きていくことができますように。創造者であり、けっして変わることのない愛をもって愛されるお方である神の似姿(かたち、イメージ)を、共に表していくことができますように。

(訳 立石真崇)

※これは小隊における祈りの資料として、個人的に訳出したものです。文中、いくつかの箇所については日本語を補い、それらについては〔 〕で区別しています。