1/10/2024

この日も主と共に【971】ペトロの手紙一(41)

共に選ばれてバビロンにいる人々と、わたしの子マルコが、よろしくと言っています。(ペトロの手紙一5章13節)

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ペトロは晩年、キリスト教会に対する迫害の中で捕らえられ、ローマで殉教の死を遂げたと言われています。

彼は『ペトロの手紙一』の結びにおいて、手紙の差出人として教会の仲間たちを《共に選ばれてバビロンにいる人々》と紹介します。

《バビロン》は旧約聖書の時代において、イスラエルの国(北と南に分裂した後の南の王国ユダ)を滅ぼした国です。イスラエルの人々は侵略され、国を滅ぼされ、捕虜として連行されました(バビロン捕囚)。

ペトロがローマを《バビロン》と表現したのには、まず教会の所在地を伏せて迫害の危険を抑える意味があったと思われます。そればかりでなく、かつてバビロンからの解放と祖国へ帰還を約束し、実現された神様を信頼し、神様がこれからも教会を助け、新しい局面へと導き出してくださるという希望に立っていたからだと思います(参照エレミヤ25章11~13節、29章10~14節)。

ペトロは捕らわれの身でも、天を目指す《旅人》として歩み続けました(2章11節)。

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天の父なる神様、地上で生きる日がすべてなのではなく、御子イエスによってあなたの御許、天へと続く道の途上にあることを覚えて、これからの日々も歩むものとならせてください。イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン