その後、妻エリサベトは身ごもって、五か月の間身を隠していた。そして、こう言った。「主は今こそ、こうして、わたしに目を留め、人々の間からわたしの恥を取り去ってくださいました。」(ルカによる福音書1章24、25節)
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神殿の務めを終えたザカリアは、天使に告げられたように口が利けなくっており、そのまま家に帰りました(22節)。おそらく妻エリサベトは、夫からくわしい話を聞くこともできず、それでいながら高齢の自分の身に新しい命が宿るという事態に直面しなければなりませんでした。彼女が《五か月の間身を隠して》いたのは体の安定のために、また、心が定まるために必要なことでした。そのような彼女を支えたのは、無言の夫ザカリアでした。高齢の夫ザカリアが黙々と身重の妻をいたわり、世話をする姿からは口から出る言葉以上の“言葉”が出ています。その言葉をエリサベト聴いていたのだと思います。さらにその夫の背後から、神様の言葉も聴くことができたのだと思います。“あなたは神様に愛され、生かされている”という言葉を。
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天の父なる神様、あなたはさまざまな状況や出会いを用いてわたしたちの心に触れ、語りかけてくださいます。あなたの御声に耳を傾けるものとならせてください。また、わたしたちの姿をあなたの愛の言葉を映し出すものとしてください。イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン